VC PTN 2870485 BlogKenJr. キネマKEN報 「イングロリアス・バスターズ」
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作家志望であるかどうかあやしくなってきた作者が、広く世の中に認知してもらうためのあらゆる実験を行うための日記。また作家になるかどうかあやしくなってきた過程を随時報告していきます。
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キネマKEN報 「イングロリアス・バスターズ」
最近ブルーレイレコーダーを買いまして。

WOWOWで映画なんかを録画しまくっているわけです。

で、休みの日にちょこちょこ撮りためた映画を見ているのですが。

どうせなら映画の論評なんてものをやってみようかなと思いまして。

ブログに新しいカテゴリー「キネマKEN報」を加えてみました。



その記念すべき第1回目の作品はクエンティン・タランティーノ監督の2009年の作品「イングロリアス・バスターズ」です。



この作品は1976年に発表された「地獄のバスターズ」というイタリア映画のリメイク版だそうです。



第2次世界大戦中の主にフランスが舞台になっており、ナチスドイツのユダヤ人狩りを逃れた女性の復讐劇と、ナチス狩りを遂行するイングロリアス・バスターズ達の活躍という二つの話がメインとなり、やがてその二つが交差していくというのが大まかなあらすじです。

日本ではR15指定ということで、かなりグロテスクな場面もあります。

基本的には戦争映画なので、人が死ぬ場面が沢山あり、視聴後は決して爽快とは言えません。

しかし、僕は非常に面白いと思いました。


多くのタランティーノ監督作品同様、テンポの良い展開、独特の演出、セリフ回し、構成によって映画自体が面白いものであるのは間違いないのですが、それ以上にこの映画を見ている自分の心の動きに面白さを感じました。


物語がクライマックスを迎える頃、自分の中に湧き上がってきた意外な感情に驚き、興味を持ったのです。

そのクライマックスというのは、ナチスドイツ軍の英雄をモデルにした映画のプレミア上映会の会場である映画館のオーナーが、実は先に述べたユダヤ狩りを逃れた少女だったわけですが、彼女はその上映会でヒトラーを含めたナチスの上官達が一同に会するのをチャンスとばかりに自滅覚悟で映画館もろともナチス一同を焼き払う計画を実行に移すのです。

上映会で流される映画はイタリア戦線で300人の敵に囲まれ一人孤立したドイツ兵が塔に立てこもり、次々と敵兵を狙撃していき、ついに敵兵は逃げ出し、無事生還するというナチス軍の威光を誇示する内容です。

劇中での映画の中でその兵士(本人が演じている)が次々と敵兵を狙撃していく様子が流れ、そのシーンを見たヒトラーや他のナチスドイツの上官達がその度に嬉々としている様を描いています。

彼らナチスの様子は意図的にとても滑稽に描かれている様に感じました。




そのクライマックス以前から、ナチスドイツに対するバスターズのテロ計画が一進一退する様子も描かれており、ユダヤ人少女の復讐とは別進行でバスターズもプレミア上映会において爆弾テロをしかけます。

その計画があまりにもずさんなために途中何度も危ない目に会い、計画は頓挫しそうになります。


そして、僕はいつしかバスターズの爆弾テロ計画やユダヤ少女のテロ計画が映画の最後に成功することを期待しながら、クライマックスを迎えていたのです。


恐らくこの映画を見ている人のほとんどが同様の気持ちを抱いていたのではないでしょうか?


しかし、僕はこの自分の中に沸いて出た「テロ成功への期待」という感情に気付いた時に愕然としたのでした。


以下ネタバレ注意
それだけではありません。

結局バスターズの爆弾テロもユダヤ少女のテロも成功し、映画館は火の海に包まれ、ヒトラー以下ナチス一同が巻き込まれ殺されます。

その爆弾テロ成功の大きな要因となったのが、ナチスの親衛隊で「ユダヤ・ハンター」と呼ばれるハンスの祖国ドイツに対する裏切りでした。

彼は一旦はバスターズの面々を捕まえるのですが、彼らに対し爆弾テロを見逃し戦争終結を早める代わりに戦後の自分の身柄と生活の保障を条件に取引してきたのです。

バスターズはそれを受け、見事爆弾テロは成功し、拘束された振りをしながらアメリカ軍の居留地との境目までハンスと共に逃れてきます。


そしてここまで見た時点で僕は、ユダヤ少女の本当の復讐相手であるハンスが、このまま逃れるのを苦々しく思いながら見ていたのです。



そしてバスターズの隊長であるアルド(ブラッド・ピット)が自分達が解放され、逆にハンスが投降した後、ハンスとの約束を反故にして、ハンスの額にナイフでハーケンクロイツを刻む(バスターズのナチに対する儀式)のを見て、僕は溜飲を下げる自分を感じたのです。



僕は自分の事を戦争嫌いの平和主義者だと思っていました。

しかし、この映画を見ながら、僕はナチスに対するテロの成功や復讐の成就を願い、そしてその達成に喜びを抱かないまでも胸をなでおろしたのです。



現在の多くの日本人は戦争に対して嫌悪感を持つため、この映画の戦争シーンやバスターズがナチに、またナチがユダヤ人に対して残虐な行為をするシーンに対して、目を覆うかもしれません。

しかし、同時に僕と同様にユダヤ少女のテロ成功を期待しながら映画を見続けるのではないかと思います。


ましてやこの映画を製作したアメリカ人にしてみれば、テロの成功を嬉々として見たことでしょう。

視聴後に爽快感さえ味わったかもしれません。


しかし、それはこの映画の中で、国家の英雄が次々と敵兵を撃ち殺していく映画を見ながら嬉々としているナチスの人たちの姿と何ら変わりがないのです。

映画の演出として、嬉々として映画を見続けるナチスの人々を非常に滑稽に見えるように撮られていると僕は感じました。

タランティーノ監督は恐らく、ナチスに対するテロやハンスに対する復讐が、様々な困難がありながらも最後には成し遂げられたエンディングを見て、胸をなでおろすアメリカ人の観客に対し「その喜びは映画を見ながら君達が滑稽だと思ったナチスの姿と一緒だよ」という強烈な皮肉を与えるためにこの映画を作ったのではないかと思います。


この作品の中で監督はユダヤ人に対するナチスの残虐な行為と同様に、バスターズのナチスに対する行為をグロテスクなほど残虐に描いています。

結局この作品のテーマは、

「戦争の残虐さと愚かさ、そしてそれらはどちらか一方にあるのではなく、戦争に関わった全ての人たちにある」

ということではないでしょうか。

そしてもう一つ、戦争に突き動かされていくのは何も一部の偏った思想の人たちだけでなく、全ての民衆にその可能性があることを、この映画を見ながらの自分の心の動きによって思い知らされました。


戦争に向うのは「軍国主義」などという曖昧で大きな括りではなく、個人個人の心の持ちようであると。


改めて、戦争に向わない努力を続ける気になった、そんな映画でした。












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【2011/11/09 20:23】 | キネマKEN報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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名古屋生まれの、名古屋育ち、だが現在は関東在住。
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